« 恐るべし、持続の帝国 | メイン | 兄弟は「他人の始まり」の何故? »

子育ては「忍耐」

近年の離婚率は年々高まるばかりで、今や二分に一組の割合で離婚があるという。今様の人の特徴から、激して忍耐を軽んじる傾向が強いように感じる。独身者も多いが、この状態が続けば社会は乱れる。片親での子育てには難多く、貧困層も厚みを増すばかりか、と。これも戦後日本の弱みに付け込んだ強国の押し付け教育と家庭教育の弊害と言えるが、社会の不備やら社会のせいばかりにも出来ないふしがある。自由社会は自己責任が伴う。もう少し結婚も子育てにも思慮深く有るべきではないかと思う。今、この問題こそ、のではあるまいか。
   特に子育てには二十年の忍耐期間が必要である。つまり、成人するまでは母親は「我」を出しては子供がまともに育たない。「我」を出していい時期とは子育ての後という事で、それまでは全て譲る事であり、自己を無くす事である。其処に父親と母親の役割分担がある。「忍耐」は子供を育て自己をも育てる「妙薬」なのである。
「忍」の経験がない女性は孤独に弱く、やがて訪れる人生の最後の時期に孤独を楽しむ知性ある「老来」は迎えられない。忍激の二字は、これ禍福の関なり。