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社員の本当の価値を知るには

社員の価値を知るとは、一言で言えば、先ず社長の能力、取り分け、その長たる者の洞察・明察力によるものと考える。又、会社の価値と社員の価値は等しいとする考え方がある。
つまり、長たる経営者の価値基準が全て反映されるからである。
また、会社の価値も人間個人の価値も誰かが勝手に定義付けたものではなく、その時々の時代と社会が価値を決定する大きな要因であると言う認識を出発点とする。

そこで、「価値」とは何か?を分解して考えてみると、先ず「価値」とは「大衆価値」と「個人価値」に分けて考える事が必要である。次に「直接価値」と「間接価値」に分けて考えると、社員の役割と価値が判明してくる。つまり、直接的に価値ある人材であるのか、間接的に価値ある人材か?という事で、どちらも会社には表裏として必要な人材であり、たとえ専門分野で個人としての価値を大いに発揮する人物であったとしても、集団の中では、それぞれが役目役割の中に在り、その人物を引き上げてくれる人材や裏方で支える役割を担う人物こそ、大事な間接的価値を持つ人物である。そこで、適材適所への役割配置だけに終わらず、そのためには社長、或いは担当者たる者の「明察力」と「人使いの術」が会社の価値と社員の価値を高める要因の大なる一つであると考えるのである。

しかし、「船に刻みて剣を求む」が如く、時代の変遷により大衆価値は変化し、その会社での個人価値も変わるものである。採用側の担当者の能力如何にもよるが、偏差値教育の時代の中に育った人物の玉石混交を如何に見分けるかの判断に迷う事は当然の事と考える。そこで、選別法を利用する。次の三つの「反応の策」で充分である。

1、 グループ面接(それぞれの思考ポイントを知る方法)個人面接の両方を行う。
2、 24分類法使用により社員のバランスシートを作り、「人物の扱い方」「思考法」「適職」
「才能領域」加えて「複雑思考人間」と「単純思考人間」に分ける。
3、 個人的に能力以上の仕事を与えて能力レベルを計る。

人間を観察すれば、人間の能力とはその一番の欠点の反対側にあると言う事である。そして、その人物の得意分野、才能部分には最大の注意が必要である。なぜなら、どんな人物でも自分の短所・欠点は意識して隠すところであり、人は短所欠点では失敗しない。
では、人はどの部分で失敗するのか?失敗は自分の得意分野・自信ある部分なのである。
人間は「自己の強み」で失敗する。この部分こそは特に注意されたい。等々。
斯くの如く、手段・方法により、如何なる人間でも使い熟せてこそ「人使いの術」を得たる人物と言えるのではあるまいか。

さて、現代に見る時代の発展と進歩により世の中が複雑になると言う事は巨大社会にあるという事であり、この巨大化した社会は人間を必然的に単純化する力を持っている。
そして、その社会で生きる人間には「単純思考人間」と「複雑思考人間」が構成されるのである。又、これを会社等の組織集団に当てはめれば、大集団の会社は専門化された単純思考人間が適任とされ、小集団の会社は、機転の利く複雑思考人間が適任とされる。又、会社も小集団の時は人間個人に主力が置かれ、大集団になると組織に主力が置かれると言う事に他ならない。そこで、これまでの経営者は経営学だけ良かったものが現在の経営者は浅くても複合知識を持つ事が必要とされ、社員教育よりも経営者こその学びが必要となるのである。
     <過去>               <今後>     
経営者:専門的知識            複合的知識
社 員:複合知識・複雑思考人間      専門的知識・単純思考人間   

今後の経営者は専門的知識よりも、お金を集める事(敗軍の将に説得力なし)と単純人間を巧く使い熟し時代に合った施策に対応する必要があり、多面的な人物が求められる。 
はてな、現時代と現社会の中で押して知るべく自社社員の真の価値とは、奈辺に有りや。