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池魚の殃(ちぎょのわざわい)

中国は戦国の頃の話、孔子が宋を訪れた時、垣司馬という孔子を殺そうとした人物がいた。

その男は宝の珠を持っていた。ところがある時、男は罪を受けそうになったのでの宝を隠

した。珠のありかを尋ねると「宝は池の中に投げ込んであります」と言った。そこで池中

かき回して探させたが、何も見つからず、ただ池の魚が死んだだけだった。という話で、

これは禍福が予告もなく及ぶということを言ったものである。池の魚にしてみれば、

まさか、自分のかかわりのない宝探しで殺されるとは思ってもいなかったに違いない。

こういう、どこから禍がとんでくるかわからないことを、池魚の殃(ちぎょのわざわい)

と言ったものであるらしい。つまり、罪のないものに禍が及ぶということである。

昨今、こういう事は別に珍しいことではなくなく、連日のように起こっていることだが、

本日、先程も実は我が身に降りかかって来たことである。

日課の歩きの途中、後ろから猟犬と思われる黒い犬と飼い主が後ろ一メートル内に迫って

来た。「お先にどうぞ!」とこちらは譲らざるを得ない状況で譲った。飼い主は黙って先

へ入れ替わり前にいったが獰猛な犬は動かず、こちらの歩きを止める状態となった。

ゴルフ場内の街なので道は広く、道の両サイドには歩道があり、道路も車も通らず何

もないところで、なぜ犬と飼い主と自分が混み合うのか??「違う道を通ってください!」

と言う羽目になった。相手は「すみません!」と。しかし、その後が問題である。

家までつけて来て、大声で「道はみんなのものですから・・」と。「ええ?謝ったのでは?」

「何たる傲慢不遜!!」こちらは、黒い犬だけは覚えているが飼い主の顔は知らない。

又、道はみんなのものではあるが、犬の道ではないし、お犬様を連れた人の優先権はない。

「夜道に真っ黒な猛犬の不気味さを知っているのか?」と。

唯でさえ物騒な世の中、家の前まで着けて来ての言葉には、にわかに恐怖が湧いてくる。

此方に罪がないのに禍が及ぶとは・・・故事「池魚の殃」が降りかかってきた・感である。