邯鄲の歩み
上古の大思想家・荘子物語からとっておきの「故事」をひとつ。
・・昔、燕の国の寿陵という村に都会に憧れていた青年がありました。
その青年が趙(ちょう)の都の邯鄲(かんたん)に行き、当時の都会風の
歩き方を習ったが身に付かず、自分のもとの歩き方まで忘れてしまい、
とうとう、腹ばいになって帰国したという、話によるが・・。
自分の本文を忘れてむやみに人まねをすると、どちらも身に付かなくなる、
という故事である。
・・戦後のこの国も勢いよく、いろんな国の風潮を学び取り入れている。
もちろん、良い点も沢山あるし、学ぶ事は良い事であるとはしても、
つい本末を忘れて、もとの美点までも忘れ、捨て去ったようなところが
随分多くあるのではないか、と思ってしまう。
これは、戒しむべきではないか、と。