前事忘れざるは後事の師
「前事不忘後事之師」とは、
誰の記憶にも新しい、ほんの40年前の話、1973年、当時の田中首相が国
交回復の交渉で北京を訪れた際、「諺ニ曰ク」として、周恩来首相から贈られた
言葉であった。「前事」とは、昔の事である。
「日本の方方、中国は過去を忘れることにしますから、あの不幸な事態を銘記
して、同じ失敗は二度と繰り返さないようにして下さい!」という、中国側の
強い願いであったに違いない。「賠償金はいりません。領土問題は先に譲りましょう
と、いう事で交渉を終えているのだ。
当時の国交回復の困難を知っている日本人なら簡単に忘れる筈がない。
どのような問題であっても、見る方向と角度が違えば答えは違って来るのが当
然である。東から見るのと西から見るのとでは眺めが違うし、上から見るのと
下から見るのとでは、また風景も違う。
つまり、歴史認識はそれぞれの国によって違うということである。又、百年単
位で考えるか、千年単位で考えるかでも違ってくる問題である。
領土問題を口にすれば、パレスチナとイスラエルの関係に見るように、絶対に
解決はあり得ないのだ。そのままの状態で永遠に現状維持を保つ事で平和が保
たれたものを、と。現状に大きな危機感を持たざるを得ない。
そして、彼の管仲のいう「準備無くして行動なし」の認識を国の頼みとしたい。
<予測・対処・準備>と、軍略で考えるなら今は攻撃的な行動に出る時期では
ないのである。そもそも、禍の原因はどこにあるのか?と。
禍の原因はその慎みのない言動がその出発点であることを認識されたい。
公人という立場にありながら、公私混同、礼儀・分限・弁えを持たず、
「愚なること此れより大なるはなし」と言わざるを得ないではないか。
名誉は公共のものである。
公共の名誉を持つ者に言論の自由が許されるものでありましょうか。
又、名誉を多く取ろうとしてもよいものでしょうか。
禍の原因は弁えのない言動がその出発点であることを認識されたい。