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官に居るに二語あり

「官に居るに二語あり」
「公平であれば明朗が生まれ、清廉であれば威厳が生じてくる」と。

今の世の中、公平・清廉であるのは難しい事かもしれないが、官職にある人物こそ心がけて欲しいものである。隣の国の「周恩来」の清廉な生き方も素晴らしかったが、紀元前の人物であるが、子罕(しかん)という宋の平公に仕えた名臣に、素晴らしい話がある。

子罕は斉の晏子(あんし)とならんで中国は春秋時代に吹く風のようであったという。
その子罕の人気は大変なもので、ある時、貧しい身なりの男が子罕に面会を求めてきた。
その男は、やっとのことで子罕に面会すると、懐から大きな玉を出して言った・・。
「子罕さま、この玉(ぎょく)は、私が見つけたものでして私の宝物ですが、私のような身分の者が持っていても何の値打ちもございません。それで、私が予てより尊敬しております子罕さまのような立派な方に是非、献上したいと思ってこうして遥々やってきたしだいです。どうか、この玉をお受け取り下さい」
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そこで、子罕は柔らかい眼差しでいわれた。
「わたしは、貪らないことを宝としている。あなたは玉を宝としている。すると私が玉を受け取ると、両方が宝を失う事になるではないか。宝はそれぞれにあった方がよいではないか」と。男はハッとするや、その言葉に傾首したそうな・・・・。
そして、子罕はその玉を高く売れるように磨きに出してやり、何日か留めて、売ったそのお金を持たせ国へ返したという話である。この話は、国を越えて広まり、後々の廉士に大変好まれたそうな・・・・。

古を師として「歴史に学ぶ」ことの、なんと多いことでしょうか。
未来を明るくするものは、必ず過去からの教えにあるように思う。