« 管改造内閣 | メイン | 外交手腕を問う »

官僚と政治家の役割の違い

◇知識と知恵の違い
「知識」は正に官僚が得意とする分野であり頭で理解し憶える分野です。一方「知恵」は自分が知り得た知識を実際の行動の中で活かしてみると、現実との違いで多くの障害が発生し、それを克服しながら憶えるものです。例えば自動車の運転はいくら知識を頭に入れても車は乗りこなせませんし、トップセールスマンのハウツウ本を何冊買っても結果が出ません。すべて実際に行動し失敗を繰り返しながら体で憶えるノウハウです。尚、知識は頭で憶えるため忘れますが、知恵は体で憶えるため一生忘れません。子供の時に憶えた自転車の乗り方を忘れる人はいません。そして政治家に求められるのがこの「知恵」です。知恵には過酷な環境ほど良く、経験年数がものを言います。国の運命を担う政治家がその知恵集団でなかったら国は滅びます。

◇肉体と精神の違い
 人間の肉体は一定の年齢を超えると年齢に比例して老化(分離)し機能が退化しますが、精神は痴呆症のような障害者は別として死ぬまで融合し進化します。つまり高齢者の知恵は人間社会を治める政治の世界には必要不可欠なものです。若さは確かに肉体的には好条件ですが、精神的には未熟さや知恵不足となり、大変な判断ミスを生みます。
その例としてアメリカは若いオバマ大統領の判断ミスに世論が揺れており、一方の中国の指導者は一定の年齢者の中から厳選された人材であり、その貫禄は他を圧倒しています。
老人の知恵の話で信州の姥捨山の民話を思い出します。高齢の老人を不要のものとして山に遺棄することを定めた藩(国)で自分の母親を匿っていた若者がいました。そして難問に悩む殿様を救ったのがその老婆の知恵でした。それを知った殿様はその後老人を大切にしたという話です。ところで若者が掟を破り老母を匿った理由は、若者に背負られ山奥に行く途中、老母は時々木の枝を折っていました。若者が理由を聞くと『お前が帰りに道に迷わないように・・』と言い、若者は涙しながら老母を連れ帰りました。
◇民意と世代交代
 外国人から見ると日本は子供の国に見えるそうです。テレビを見ると女子アナは毎年のように新人に変えられ仕事着か遊び着か分らないような衣装で愛嬌を振りまいています。
これは視聴率を取るための作戦で、男性民意の対応のようです。
民意と言えば、一年足らずでお腹が痛いと辞めた首相は女性民意の人気で選ばれましたし、今回の民主党の代表戦は民意により顔で差が出ました。ということは今もし自民党政権であったら民意により若いイケメンのジュニア政治家が首相になるのでしょうか。
 民主党の若手とベテラン議員の24分類表を作成しました。若手議員は官僚と切磋琢磨して情熱と行動力で勝ること、ベテラン議員は若手の育成と政権に知恵を授けることが役割です。つまりそれぞれに役割があります。簡単に世論の世代交代の名の下にベテラン議員を排除することは危険です。特に首相の世代交代はアメリカの二の舞になり、中国から子供扱いされることが落ちです。