鼎(かなえ)の話
縦横学の方向に定義されている五つの徳、「義徳」「智徳」「仁徳」「礼徳」「信徳」ですが、この徳と呼ばれる概念は歴史が古く、既に中国の夏王朝の頃から存在していたと言われています。
特に一国の君主にとっては、「統治者たるもの徳を持って民を治めるべき」とされ、最も重要とされました。
後に王位継承の象徴である鼎(かなえ)と呼ばれる器物にも擬えられ、「鼎の軽重を問う」などの故事となって後世に伝えられる事になります。
鼎とは
『史記』と『春秋左氏伝』では君主を意味する。
鼎の重さは君主の徳が高ければ重く、徳が低ければ軽くなる。
(殷の末期の鼎)
鼎の大小軽重はそれを持つ人の徳によって決まるもので、鼎自身の問題ではない。
また、三本の足は、人の欲望もあらわしているとも言われている。
「物欲」「権力欲」「名誉欲」
別の欲を抱けば均等を崩して倒れてしまう。