« 近代科学とアルケオロジーの時代 | メイン | オーパーツとは? »

量子力学とユング

近代科学の法則に合わないものは非科学的であると、長い間その存在を否定されて来ましたが、それが無視できなくなった事象が「量子力学」の世界です。

量子力学とは、「原子より小さな世界の物理的法則」です。
原子の内部の物理的法則は従来の物理学の法則とは全く違うことが解り、多くの物理学者の研究により1900年代の中頃に「量子力学」が確立されました。
今日の情報化社会を成立させた電子工学の半導体技術などはこの量子力学が基礎となっています。
一方、量子力学の確立により、心理学者ユングは自分の体験的事象の論理的根拠を得ることが出来ました。
『ミクロの世界では因果律は必ずしも伴われず、多くの場合は観察者の主観である心理的側面の影響を受ける』と言う新しい見解が発表されたことで、ユングは自説に自信を持ち1952年に物理学者パウリと共に『非因果的関連の原理としての共時性』という論文を書きました。
この共時性とは「夢の知らせが現実のものになる出来事や胸騒ぎが知人の死を知らせる」などの現で、ユングはこの偶然の一致に意味を見出そうとして「共時性」と名付けました。
共時性の考え方は、すでに古代中国の自然思想人間学の中にその原型が見られ、ユングはこれらの中国思想を学ぶことを通して身につけたと思われます。